認知症とうつの違いは?

      2016/03/27

定年退職した父がどうしてるかなと思い、久しぶりに実家を尋ねたら、いつもの元気で明るい父が、なんだか暗くボーっとしている感じで、聞けば食事もあまり食べていないとのこと。

どこか体の具合が悪いのか、それとも認知症になってしまったのか、心配でたまりません。

認知症とうつの違いは?

 

認知症と間違われやすいのが老人性うつ病です。

まず、うつ病では次のような症状・状態が見られます。

  • 無表情
  • 無関心
  • 夜眠れず昼間に居眠りをしている
  • 食欲低下
  • 集中力の低下
  • 注意力散漫
  • 激しい物忘れ
  • 「何もかも自分が悪い」と自分を責める
  • 「死にたい」と言ったり、実際死のうとしたことがある

など。

 

さらにうつ病では、めまいやふらつき、頭が重い、肩こりや腰痛、便秘などの身体症状の訴えがあることも特徴です。

 

この中では認知症の症状でもある「物忘れ」がやはり認知症とうつが一番間違われやすい要素かと思いますが、もっと明らかな違いは睡眠です。

 

認知症とうつ病、どちらも不眠を伴いますが、

  • 認知症では「眠らない」 (本人が自覚していない
  • うつ病では「眠れない」 (本人が自覚している)

といった、大きな違いがあります。

 

また認知症であれば、身体症状は伴わず、あまり自分を責めないし、死にたいといった自殺願望がみられることはありません。

 

それ以外での見分け方として、認知症の症状は徐々に進行するのに比べ、うつ病では急激に症状が進行することがあげられます。

これは認知症の方は気付かれにくいが、うつ病は気付きやすいということに繋がります。

 

うつ病は仕事を辞めたり、配偶者との別れなどがきっかけで発症する場合が多いとされているので、そういった環境の変化があった時は注意が必要ですし、その後に認知症のような症状がみられたら、うつ病を疑ってみることが大事です。

決定的な違いは、認知症は抑えることは出来ても治りませんが、うつ病は治療で治るということです。

 

 

看護師・ケアマネが考える「認知症とうつの違い」

 

うつ病なのに、認知症と診断されている方が多いのが現実です。

最初は明らかにうつ病だったのに、きちんとした治療がなされなかった結果として、うつ病が進行し認知症との区別がいよいよつかなくなったといったところでしょうか。

認知症とうつ病の症状は似ている部分が多いので、確かに間違いやすいですが、明らかにわかる症状や状態もあるので、それを判断できる医師、病院を受診することが大切です。

 

認知症には認知症の、うつ病にはうつ病に合った薬というものがあります。
そこを間違えると時間的・効果的な面で認知症もうつ病も進行してしまいます。

 

うつ病なのに、認知症だと思って、介護・看護する人が間違った対応をしてしまうと、ご本人を追い込んでしまうことがあります。

認知症の人なら励ましてもよいのですが、うつ病の人への励ましは厳禁です。

外出なども認知症なら気分転換になりますが、うつ病ではその後の症状を悪化させることもあります。

 

また稀に認知症とうつ病の両方を発症することもあるので、気を付けなければいけません。

認知症は治らない、うつ病は治ると言うと、語弊はあるかもしれませんが、きちんとどちらかわかったなら、それぞれの治療をすることでまた元気に近付けると思えば、周囲も悩んではいられません。

迷ったらまず、うつ病でも認知症でも対応してもらえる精神科への受診をお勧めします。
もしどうしても「精神科」への受診が抵抗があるなら認知症外来へ先に行ってもいいですね。

 

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